4週連続コラム「ご飯とお漬物」。
第3回目のテーマは、「おにぎりとお漬物」です。
最近は、海外でもブームが巻き起こり、人気が高まっているという日本のおにぎり。
作り方はシンプルながら、色々なバリエーションが楽しめ、スナック感覚で手軽に食べられるのが人気の秘密でしょうか。
パリでは生ハムやサーモンなどを使った 「パリおにぎり」が人気だそうで、
それもおしゃれで楽しいけれど、日本のソウルフードのおにぎりには、やっぱりお漬物が好相性です。
〇おにぎり?おむすび?
「おにぎり」と「おむすび」。 皆さん普段どちらを使っているでしょうか。
一説では、おにぎりは関東、おむすびは関西で多く使われる呼び名だったと言われていますが、いまの時代、人によって、またシーンによっても呼び名は異なりそうです。
おにぎりの呼び名の語源は、古事記に登場する握り飯から。
「鬼切り(おにぎり)・鬼を切る」として、鬼を退治する魔除けの意味を込めて使用していたという説があります。
一方のおむすびは、「神産巣日神(カミムスビノカミ)」という、古事記、日本書紀にも登場する神様を語源とする説があるようです。
「結ぶ」という動詞にもつながり、縁を結ぶというイメージから好まれて使用されていた様子も見られます。
また、おにぎり・おむすびと言われてイメージする三角の形は、神様が宿る山の形をかたどったものと言われています。
現代ではおにぎりという呼び名が大変を占めてはいるようですが、どちらも、日本の伝統食にふさわしいルーツや使われ方があることが分かって面白いですね。
〇おにぎりの具材No.1は?
コンビニの棚を見渡せば、定番の味から、ユニークな変わり種まで、様々な種類のおにぎりが並んでいます。
その中で、どのコンビニでも「ツナマヨ」が人気No.1の不動の地位をキープしているようです。
コンビニおにぎりブームの火付け役の役割を担ったという「ツナマヨ」。
1980年代にセブンイレブンに登場したのが始まりで、今やコンビニのおにぎりの定番です。
ツナマヨをはじめ、ユニークな変わり種、唐揚げなどの具材入りのボリュームおむすび、高級食材の入ったものなど、コンビニ各社ではおにぎりの具材の開発に余念がないようですが、
おにぎりの原点といえばやはり、シンプルな「梅干しのおにぎり」ではないでしょうか。
<おにぎりにはこれ!自家製梅酢と塩で漬け込んだしそ小梅>
〇お漬物の混ぜごはんで手軽にカラフルおにぎり
お漬物を刻んで混ぜ込めば、簡単に、カラフルなおにぎりを作ることができます。
<朝ドラで人気だった梅子さんのおにぎりをお漬物で再現>
今回使用したお漬物はこちらです。
左から
・梅肉・大葉が入ったさっぱり味「梅香る沢庵」
・自家製しそ梅酢で仕上げたこだわりの逸品「しそ紅生姜」
・シャキシャキの歯ごたえと風味が食欲をそそる「刻み壬生菜」
作り方はいたって簡単。
お漬物をさらに細かく刻んで、炊き立てのご飯に混ぜるだけです。
ごはん2合にお漬物一袋が目安。
梅香る沢庵には、いりごまを追加で足してさらに風味アップ。
お日保ちのする深漬を常備菜としてストックしておけば、いつでも手軽に、バリエーション豊富なおにぎりを作ることができてとても便利です。
〇意外な素材で・ユニークな変わりおにぎり
ここで二つほど変わり種のおにぎりをご紹介します。
一つ目は「チーズの味噌漬」をトッピングしたこむすび。
写真はせりを混ぜ込んで小さく丸く握ったおにぎりに、チーズの味噌漬を小さじ1杯分トッピングしています。
せりの爽やかな味わいに濃厚なチーズがよく合います。
小さいサイズのこむすびにすれば、おつまみにも最適。
人が集まる際のちょっとしたフィンガーフードとしてもおすすめです。
おすすめのもう一つは、「江戸たまご」入りの爆弾おむすび。
江戸たまごまるまる々一つをいれて、真ん丸大きなおにぎりに。
食べてびっくりサプライズおにぎりは、タンパク質もしっかり摂れて、育ち盛りのお子さんのお弁当にも良さそうです。
どちらもおにぎりの具材としては少し珍しいけれど、味噌の風味が食欲をそそり、ご飯に合わせるのにぴったりです。
〇おにぎりに合わせたい鉄板漬物
色々な具材を入れて楽しむおにぎり。
それだけでも十分満足できるけれど、プラスでお漬物があると更に嬉しいものです。
「若菜のお漬物でおにぎりに合うNo.1は?」
この話題になると必ず上位にあがってくるのが、ロングセラー商品「利尻昆布大根」です!
皮付き大根を、利尻昆布をきかせてじっくり漬け込んだ「昆布大根」
ほのかな酸味と甘じょっぱい味わい、ポリポリの食感が、おにぎりにベストマッチ。
昔ながらのしそ梅干しのおにぎりに利尻昆布大根。
これに野菜たっぷりのお味噌汁があれば、ほっと一息つける一食が完成です。
コンビニおにぎりの進化も目覚ましいですが、おにぎりのイメージはやっぱり母の味。
そしてお漬物も元々は、家庭で作られる母の味を原点としています。
誰かのためにと握るおにぎり。そして時間をかけ、手間ひまをかけて漬け込んだお漬物。
この二つが揃うと、どこか懐かしい、ほっとする気持ちになるのはそんなところからきているのかもしれません。
まさに日本人のソウルフードですね。
次週はいよいよ最終回。
みんな大好きTKG!「たまごかけご飯とお漬物」をお届けします。
ぜひ次回もご覧ください。